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不吉な予感

疲れがたまっているのか、昨夜は早々に仕事を切り上げて
7時半位の難波発、奈良行き急行に乗る。

しかし乗った瞬間、なにやら不吉な感じがする。
振り切ろうとしてもその感覚はなかなか消えず何度も襲って来る。

そして二駅が過ぎ、鶴橋駅から沢山の人が乗り込んでくる。

ドア付近にいた私の傍に、一人の酔っ払った中年の男が立つ。
この時間に酔っ払い?そしてなにやら訳のわからない事を喚いている。

私は場所をずらす。


しかしずらした為か、私と酔っ払いの間に真面目そうな女子高校生が入るはめに。

すると酔っ払いは、事もあろうにその女子高生の体を触り出したのである。
女子高生を見ると、氷付いたように唇が震えている。

他の乗客は見て見ぬ振りを決め込んでいる。

どうにかしなければ・・・・

ありったけの勇気を絞り出し、女子高生と酔っ払いの間に割って入り
酔っ払いの手を思いっきり払いのける。

酔っ払いは何かポケットから取り出そうとする振りをするのだが
精一杯、その手を押さえ続ける。

何故このような状態にわたしが置かれなければならないのか・・・

乗り込んだ時の不吉な予感はこれだったのか・・・・

車内は密室状態・・・・おまけに急行だからなかなか止まらない。

私と酔っ払いのにらみ合いが続く。

その時になってやっと他の乗客から「助けますよ!」の合図。

そしてやっと電車は石切駅に。
警察に突き出そうかと思ったのだが、私にはもうその元気がない。

汗を拭いながらホームを歩いていると、
走って追いかけてきたのか、先ほどの女子高生が回り込んで来る。

そして眼にいっぱい涙をためながら
「ありがとうございました、助かりました。」と小さな声。

一瞬、私の眼も潤む。

駅を出て、夜空を見ながら大きな深呼吸一つ。

そして「有難うございました・・・・」と。

誰になんだろう。


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